7年前この同じ場所で、たどたどしく初めての「ぜ~っと」をしていた5人。
なんという変貌ぶりだろう。貫禄すら備えている。
この時点でこれをリリースするということは、純粋に「これを見ておいてくれ」というチームMCZの意思なのだろう。
カテゴリーの枠を超えて音楽のクオリティと向き合い包括してゆく。
プレイヤーでありパフォーマーでありアイドルでもある。
百田夏菜子さんはリーダーとしてチームの信頼を担っているが、彼女の根幹をなすものは「求道者」たらんとする決意と覚悟なのではないか。アスリートが「もっとできる」「まだやれる」と奮い立つように。
こむずかしいことを言うより彼女からそのエネルギーを受け取れば自然と笑顔がわいてくる。
高城れにさんはこの7年で最もスキルを蓄えた人だろう。技術もそして「こころ」も。
56億7千万年後に世界を救済するのではないかとも思われる慈悲心に満ちたその笑顔に接すれば
自然と笑顔がわいてくる。
玉井詩織さんは表面的に最も風貌が変化したけれど、中心にある芯柱は微動だにしていない。
五重塔のようにしなやかに激動を受け止めいなす。
特殊能力ともいえるその力をふんわり笑顔で包み、何気ない表情で周囲を護る。
彼女の立ち姿が立派なのは身体の容姿が良いということだけではない。
そんな彼女にふんわり笑われたなら自然と笑顔がわいてくる。
佐々木彩夏さんは14歳の中学生で最年少ながらMC担当となり本当は怯える心を奮い立たせて立ち向かっていた。
「あーりん」の鎧を身に纏う桃色美少女戦士だ。
近年は鎧を少しづつ外して「あーちゃん」が徐々に出てきてそして「佐々木彩夏」本体が見えてきた。
未成熟と成熟の狭間で揺れる女性としての存在が立ち上がりつつある。
そんな彼女の成長は歴史として刻まれてゆく。
応援と言うより見守る私たちも自然と笑顔がわいてくる。
最後に有安杏果さん。
今はもういない彼女についてあれこれ語るべきではないけれど、彼女がももいろクローバーZをここまで引き上げたと
言えるだろう。
武道館を終えてこの舞台上にいる彼女はなんとも満足げに見える。
メンバーを含めこの時点で「卒業」を知るものはほぼいなかった。観客もだ。
座禅を組み瞑想をするが如く思慮深く己を律する。だがそこに悲壮感はない。
そのことを楽しんでいたに違いない。そう願っている。若年にしてその精神的熟成度には敬服する以外ない。
人生はまだ長い。この先4倍くらいあるんだよ。
でも、だいじょうぶ。だね。
結局、モモクロ見れば自然と笑顔がわいてきてよく見ちゃうと大爆笑でそのあと唸っちゃうという不思議な感情に満たされるのでした。